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学参探訪2 望月光『望月光の古文教室 古文読解編』(超基礎がため 教室シリーズ)旺文社2019年

非常に優れた古文学習の指南書

  タイトルからは、古文読解の練習問題があったり、古文読解のテクニックのようなものを紹介する古文読解系参考書という位置づけの一冊に思われるかもしれませんが、これは古文の勉強をこれからどのように進めていくかをまとめた指南書と言えます。文法を一通り学習してから本書に手を出すという方もおられるかもしれませんが、むしろこちらを最初に読んでおくとよいかもしれません。書かれていることは正攻法であり、この本に書かれたことを意識して勉強をしていけば、古文を読む力、解く力は磨かれていくことでしょう。

 

助詞の説明が充実

 文法書でも助動詞の重要性は強調されていても、助詞はなかなか注目されないことが多いのではないでしょうか。しかし、助詞は非常に重要です。特に古文を読むときに、助詞を意識しなければ、思わぬ読み間違いをしてしまいます。助詞は実は読解の肝であり、蔑ろにしてはならないのです。本書は、助詞の説明が非常に充実しており、その点がとても好感が持てます。特に個人的に注目したのが、主語を見抜くヒントとしての接続助詞の活用についての説明。本書129頁では、その方法が駿台予備校の関谷師から教室で学んだものだとの記述があります。この記述には感動さえ覚えました。

 

古文常識と和歌についても触れている

 本書では、古文常識と和歌についても一章ずつ扱っています。あまり踏み込んだ内容ではないのですが、初学者にとってはこれで十分なのかもしれないとも思います。ここを出発点として、広げていく、それがこの本にぴったりのイメージなのです。

 

本書がはじまり

 『徒然草』の「少しのことにも、先達はあらまほしき事なり」ではありませんけれども、この本はこれから古文の勉強をはじめようという人にとって素晴らしい指南書です。逆にある程度勉強を積んできた人や読解の練習をしたいと考える人にとっては「今更か」と思えるような内容で、期待外れになるかもしれません。これから古文の勉強をしていきたいけれど、何をしたらよいか分からないという人は、まず本書を読んでみましょう。そこから本格的な古文の学びをはじめていける、そういう始発点に立たせてくれる一冊になっています。

 

望月光の古文教室 古文読解編 (教室シリーズ)

望月光の古文教室 古文読解編 (教室シリーズ)

  • 作者:望月光
  • 出版社/メーカー: 旺文社
  • 発売日: 2019/07/17
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)