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古文文法を学ぶ順番について①

 予備校講師として教壇に立ちながら、古文文法が原因で、古文が嫌いになる人が多いように感じていました。用言の活用や助動詞の活用を呪文のように唱え、丸暗記をし、いまいちそれがどう読解に役立つのかも分からない……これでは確かに、古文を面白いとは思えません。そもそも、助動詞の活用表は、参照するものであって、覚えるためのものではないはずです。もちろん、最終的には覚えているのに近い状態になっていることは必要でしょうが、あれをそのまま丸暗記することにはあまり意味を感じませんし、単なる苦行でしょう。

 

 最近の教科書はとても親切です。ところどころに文法の解説コーナーがあって、文章を読み進めながら、この文法コーナーを参照していけば、一通り最低限の文法が身につくようになっています。細かい部分は後から学ぶとして、教科書のこの文法コーナーを押さえていけば、文法書は最初の段階では必要ないようにも感じます。それから、用言の活用が分かっていないと困るわけですが、覚えていなければ絶対に読めないというわけではありません。むしろ、仕組みを理解して、文法コーナーなどで調べて分かれば、ひとまず良いのではないでしょうか。そのうえで、何度も調べて読み進めるうちに、覚えていく、私はこれが理想だと思っています。まず表を頭に入れなければ前に進めないのではなくって、進みながら、少しずつ頭に入ってくるし、気が付けば覚えているという状態です。語呂合わせで、「ひいきにみゐる~」と言って、上一段動詞を覚えたりすることそれ自体にどれほどの意味があるのか……疑問です。

 

 用言の活用を覚えていれば、助動詞の活用を覚えるときにも有利になりますし、識別にだって役に立つので、当然、覚えていた方がよいですし、そこから古文文法学習がスタートしていくのはわかります。準体法や連用修飾の考え方、それから「未然形+ば」「已然形+ば」など、活用形がわかることで読解を助けてくれる、そういう面もたくさんあります。でも、だからといって、最初に活用表を丸暗記して、すらすら諳んじることが目的になってしまっていいのでしょうかということを私は言いたいですし、そのことについてもっときちんと考えたいのです。何形なのか……は、活用の仕組みを理解したうえで、調べて分かれば最初はまずはいいのではないでしょうか。そのプロセスをすっ飛ばして、いきなり呪文(a,i,u,u,e,e~)からはじまるから、訳が分からなくなるし、つまらなくなってしまうのではないかと私は思うのです。古文をつまらないものしている原因にはさまざまあって、簡単に解決できるものではないとは思いますが、最初の最初のこの用言の活用の扱いを変えるだけでも、がらっと変わるのではないかと私は思っています。